接待はお客様との関係を密接にする有効な営業ツールですが、営業職の方のなかには接待だけはやりたくないという方も多いのでは?
しかしある日突然「こんどクライアントの部長さんたちを接待するから準備しておいて」といわれることもあります。
そんな時も落ち着いて対処できるように、営業マンのための接待術をここではお伝えします。
目次
接待の成功のカギはお店選びから
接待で大切なのは、まずはお店探しです。
当日の参加者の人数、お客様の好みの料理や苦手料理などを確認したうえでお店探しを始めてください。
お客様の会社や自宅などから遠くないエリアで選ぶのも重要ポイントです。
接待で使用するお店はそれなりの品格が求められますので、チェーン店などは避けたほうが良いでしょう。
接待に使うお店は会社の先輩が知っているお店を使うのが一番無難です。
もし初めてのお店を利用するなら、落ち着いて話ができ、明るく、個室があるお店から探してください。
接待で使われることが多いかどうかもポイントです。
接待の料理はコース料理がおすすめ
接待ではコース料理が一般的です。
ただコース料理の場合、料理の品目が多すぎても少なすぎてもよくありません。
お店の方に「50歳代のお客様の接待です」などと伝え、手ごろなコースを確認するのがよいでしょう。
飲み放題は不可です。
お店は必ず下見を
接待に利用するお店はあらかじめ下見しておくことをオススメします。
トイレの位置確認をし、「今度接待で利用します」とお店の人へ挨拶し、どんな料理がおすすめかなどのお店の特徴も聞いておくと尚良しです。
お店が決まったら、お客様にお店の名前、電話番号、地図をお知らせしてください。
その際、駅からお店まで徒歩何分か、目印などを伝えるなどの気配りも忘れてはいけません。
また接待の前日には参加者全員に連絡を入れ、出欠の最終確認をとり、人数の変更がある場合は、お店に必ず伝えてください。
手土産の準備は前日までにすませましょう。
手土産の品は高価なものはお客様も気を遣うので、3,000円程度の季節ものや会社の近所の名物などが良いでしょう。
接待当日は絶対遅刻をしない
接待当日、いよいよ本番です。
集合時間の20分から30分前にお店に到着し、お店の人へも挨拶、席の確認をすませ、玄関先でお客様を待ちます。
接待の間は、始まりからお客様を完全にお見送りするまで、気を抜かないよう気を付けてください。
席順をしっかりと把握しましょう
お客様が上座、接待側の若手社員が下座に座ります。
上座とはお店の出入口から一番遠い席で、下座とはお店の出入口に一番近い席のことです。
和室の場合は床の間前の上座にお客さんが座り、出入口に近い下座に接待側の若手社員が控え、注文などに対応します。
中華料理店の円卓の場合も同じで、部屋の出入口から最も遠い席が上席になり、主賓から見て左、右の順で座っていき、出入口に一番近い席が下座になります。
なお帰りにお客様とタクシーで一緒になった際、上座は運転手の真後ろの席で、下座は運転手の隣の席に乗車になります。
お酒を飲めない方の対処法
お食事中はお客様のお酒、料理の進み具合を常に注意してください。
また空いたお皿、グラスがあれば、常に下げるように気配りを欠かさないように。
お酒はお客様にすすめられたらありがたく頂戴し、一緒に楽しく飲んでください。
しかし決して飲み過ぎて酔わないことが重要です。
お酒が飲めない方は無理して飲む必要はありません。
飲むとしても、乾杯の際の一口だけにして、あとはソフトドリンクで問題ありません。
お客様にすすめられても「アルコールアレルギーがあるので・・」「皆様にご迷惑をおかけすることになるので・・」といってお断りしましょう。
また、会社の同僚や先輩社員に事前に話しておき、助けてもらいましょう。
悪酔いして接待が台無しになっては大変です。
聞き役に徹すること
接待中はできるだけ会話が途切れ無いようにしてください。
普段の商談中では聞けない趣味などの話を楽しんでください。
また「ずっと営業畑なのですか?」など、お客様のこれまでのキャリアを聞いてみるのもいいでしょう。
お酒が入る分、打ち解けた話ができます。
大切なのは決して自己主張はしないことです。
聞き役、会話の進行役に徹することです。
お会計はさりげなく
お会計は、宴もそろそろお開きの頃合いを見計らって、トイレに行くふりをしてすませてください。
お客様が気づかない間にさりげなく会計をすますことがコツです。
手土産はお客様がお帰りになる際に「心ばかりですが弊社の近くにある評判の品です。ご家族の方にも是非」といってお渡しください。
必ず紙袋に入れてお渡しするのが鉄則です。
また、お客様がタクシーで帰られるときは事前にタクシーを手配し、タクシー代金またはタクシーチケットを封筒に入れて用意しておきましょう(封筒は必ず持参しておいてください)。
帰りのタクシー代を先方の自己負担とするのはNGです。
お客様への挨拶も済ませ解散となってもこれで終わりではありません。
翌朝、必ずお客様にメールなどで前日のお礼をしましょう。
お礼は簡単な文言で十分です。
お礼が終わって初めて接待が終了したことになります。
まとめ
若手営業マンにとって、年の離れたお客様と同席する接待は不安でストレスのたまるものかもしれません。
しかし年の離れたお客様と同席することは若手営業マンの視野を大きく広げてくれます。
上記に記した接待術を身に着ければ、もう接待も怖くありません。
積極的な姿勢は社内・社外含めて評価されやすいこともあるので、ぜひ実践していきましょう。