国内利用者数No.1*のビジネスチャットツール「Chatwork」を提供する、Chatwork株式会社。同社事業推進本部 マーケティング部の小田原圭祐さんは、かつて大手企業のECサイト運営事業部で、成績1位に輝くほどのトップセールスでした。直接訪問や電話を武器に戦っていた小田原さんの営業スタイルは、Chatworkとの出会いで一変します。彼が直面した「一歩先を行く営業」の本質とは、一体どんなものなのでしょうか。
*Nielsen NetView および Nielsen Mobile NetView 2019年5月調べ月次利用者(MAU:Monthly Active User)調査。調査対象はChatworkで選定。
「足で稼ぐ営業」からオンライン商談の舞台へ
小田原さんがChatworkに入社した経緯を教えてください。
今年で社会人になって5年目になるのですが、新卒では楽天株式会社に入社しました。配属先はECサイト『楽天市場』の運営事業部で、主に新規営業を担当していたんです。幸い、所属していたチームは年間成績1位に輝き、個人でも成約件数でトップ5に入ることができました。
約2年半の経験を積み、楽天という大企業の看板を背負ってではなく、自分の営業力を試したいと考えるようになりました。そこで新天地で挑戦したいと思い、Chatworkへ入社したんです。
実際にChatworkに入社して、どのような感想を覚えましたか?
会社が変われば商材も変わり、営業スタイルも変化します。それを痛感しました。前職の営業はいわゆるフィールドワークメインでした。ひたすら電話でアポをとり、対面で商談をする。お客様の元へ出向くのが基本です。
Chatworkは、営業に関するほぼ全ての工程がオンラインで完結します。業務内容の中から「電話」という二文字がほとんどなくなってしまったことが、一番違和感を覚えましたね(笑)。
実際に、どのような方法でやり取りをしているんですか?
従来の営業なら、お客様から電話やメールで相談を受け、場合によっては提案書を作成してメールに添付します。これが全て、Chatworkに置き換わると思ってください。
お客様からの質問への回答やデータの受け渡し。これらは全てChatworkの機能で行えます。必要に応じて商談も行いますが、ビデオ通話機能によるウェブ会議で対応可能です。
小田原さんがかつて思ったように、従来の電話・メール・対面のやり取りに慣れているお客様は、チャット中心のやり取りに違和感を覚えないのでしょうか?
ポイントになるのは、問合せをいただくお客様がすでに「Chatwork導入を検討している」ことにあります。Chatworkは一度利用いただけると、その利便性に気づける製品です。我々とのやり取りがそのまま導入やチャット活用の練習になります。
チャットでの関係構築が可能にする「課題解決型営業」
Chatworkでは、フィールドセールスのチームはないんですか?
弊社の中にも、フィールドセールスのチームがありますよ。彼らは、訪問が必要なエンタープライズなど大規模法人を担当しています。今でも大企業の中には、「商談では訪問が必須」という固定概念が根強く存在します。
私もそうした企業を担当しますが、彼らにオンラインでのやり取りを提案すると、意外とOKの返事が帰ってくることが多いんです。私自身、基本的には先方にオンライン商談のメリットを提案するようにしています。
お客様は訪問での商談となると、会議室などの場所や移動時間を確保しないといけません。オンラインでの商談は、双方にとてもメリットが大きいんです。電話やメール、チャット、対面のやり取りは使い分けも必要ですが、私は訪問営業をなるべく減らし、インサイドで完結できるように意識しています。
オンラインコミュニケーションに、うまく誘導するんですね。
最初はお客様の反応が気になりましたが、すぐに問題ないことがわかりました。チャットのやり取りはメールよりむしろ会話に近いので、お客様と担当者との距離が縮まりやすいんです。実際に商談を行うまでに、十分なコミュニケーションの量を重ねて信頼関係を構築することができます。
これがメールだと、なかなかうまくいきません。ビジネスメールというのには、独特な作法がありますよね。序文の挨拶や御礼の言葉などを重ねて、ようやく用件に入ることができます。さらに宛先を入力したり、To、Cc、Bccの指定も必要です。1件のメールを送るのに、平均5分の時間がかかるというデータもあります。
1通に5分ですか!?何通もメールを送る人にとっては、気が遠くなるような数字ですね……。
チャットだと、こうしたマナー・ルールが全て不要になります。私たちはもちろん、お客様も連絡が楽なので、「ちょっと返信しようかな」という気持ちになれますよね。
先日も、移動中にお客様から連絡があり、1分以内で返信をしました。この速度感は、メールでは出せません。そうしたら、お客様からも「ありがとうございます!!」と、非常にテンションの高い返事をいただけました(笑)。
営業マンが信頼を勝ち取るポイントで、非常に重要なのがこの対応スピードです。これが何度も繰り返されるうちに、「この人の売る商品なら、買ってみようかな」という思いにつながります。
実際の商談では、どのようなことに注意していますか?
時間配分です。実際の訪問より、オンライン商談だと「13:00〜14:00までです」など、スケジュール管理がよりシビアになるケースが多いです。商談は基本1時間で、最初のヒアリングやアイスブレイクで10分。提案で20〜30分。クロージングに20分の時間をかけることが多いですね。
ヒアリングの時間が思ったよりも短いですね。
アポイントの前の段階で、すでにお客様の現状や課題、目標などをヒアリングしているからです。その上で商談でも改めてすり合わせをしつつ、お客様から現状の課題を話してもらいながら、こちらの案を提示します。
世界観を通じて会社として目指すこと+変化を楽しもう
従来の営業と現在の営業で、求められるスキルはどのように違いますか?
従来の営業スタイルでは、対面や訪問でいかに仲良くなるかという関係構築が重視されていました。今は違います。オンラインを主たる手段とした現在の営業では、すでに関係構築ができた中で商談に臨むからです。そこで大切なのは、的確にお客様の課題をみつけて、解決へ導くかを考えられるマインドにあると思います。
直接訪問ではオフィスでアイスブレイクをして、お茶を出してもらい、名刺交換をして、雑談などを交わします。しかし、オンライン商談ではこれが全て存在しません。ある意味、商談内容がお客様のニーズに応えているかという、一本勝負的な状態になります。
その場でこの考え方や提案型の営業のスキルは、オンライン商談をするようになってから徹底的に磨かれました。
聞けば聞くほどチャットツールの魅力を強く感じます。Chatworkとしては、どのような目標を掲げているんですか?
私たちは「働くをもっと楽しく、創造的に」というコーポレートミッションを掲げています。これは人事、総務などバックオフィスの方々もそうですし、営業も当てはまります。誰もが当たり前と思っていたコミュニケーションを見直せば、より楽しく創造的な働き方にできる。Chatworkというツールを通じて、それを実現したいと思っているんです。
従来の営業スタイルでは、メールや電話は使って当たり前のツールでした。チャットで営業するという概念を持たない方も、実際にやると営業効率がかなり上がります。
また、チャットは単なるコミュニケーションツールではなく、「仕事の情報を扱う」ツールなんです。お客様はもちろん、社内のやり取りもそれ自体が情報資産として残されて、ナレッジ共有につながります。営業で起こりがちな、知識やノウハウの属人化を防げるんです。実際「Chatworkがないと仕事が回らない」とまでおっしゃっていただけるお客様もいます。
それはすごいですね。ただ、それでも新しいツールを使うことに、抵抗感を覚える方もいると思います。
私には、ある1つのモットーがあります。「常に変化を楽しみたい」です。やってダメならやめればいいし、よければ続けるといい。まずは一度、チャットを使ってみてください。
まとめ
小田原さんの話す、ビジネスチャットという新しい武器をフル活用した営業スタイル。それは「効率性アップ」と「顧客との信頼関係構築」の2つを、同時に実現できるものでした。もともと、私たちは日常でもLINE、messengerなどのチャットを当たり前のように使用しています。生活に根ざしたツールをビジネスに導入する。それが、「一歩先の働き方」への大きな一歩になるかもしれません。