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新時代のセールスのあり方とは? スタートアップで営業を支える、営業マンの矜持。~株式会社Virtusize パートナーサクセスマネージャー 鈴木 純太さん~

デザイナーから営業へ転身したのは27歳のころ。一見全く異なる職種への転身のように思えるが、鈴木さんは「僕自身の軸はブレていないから、とても充実しているし、全ての経験が今に繋がっている」と話す。彼はなぜ、“理想とする自身の働き方”を叶えられたのだろうか?そして鈴木さんが目指す世界とは。

デザイナーから営業へ。思い切って飛び込んでみた!

鈴木さんのこれまでの経歴を教えていただけますか?

前職は建築系のデザイン学校を卒業したこともあり、店舗プロデュースの会社でデザイナーとして勤めていました。デザインの仕事は楽しかったのですが、デザイナーとして自分を抑えながらコミュニケーションをしなければならないことも多々あり……。そうなると「問題解決」のためのデザインができず見た目が良ければいいとなりがちで、そのことにモヤッとしたものを抱えていたのも事実です。

でもたまに営業と一緒に提案に行く機会がある時は、デザイナー目線で提案することができ、相手が求めていることを深く読み解く営業の仕事は面白いなと感じていました。そんな時に営業で頑張っている古くからの友人たちと飲む機会があって、色々と話を聞くわけですよ。それで、アイツらにだけは、負けない!そう思って営業の仕事に飛び込んでみました(笑)。営業の世界は未知で恐怖心もあったけれど、「自分の力で稼いでみたい」というのが営業にチャレンジした最大の理由ですね。

当初はどのよう営業マンでしたか?

営業キャリアのスタートは中小企業の営業でした。27歳で未経験からの転職だったので、もう後戻りできない。そんな思いで臨んだのですが、そこでは昔ながらの営業スタイルが中心で、思い描いていたのと違うなと……。目標数値を達成できないと営業報告会で詰められて、心身ともに疲弊。もちろん、うまくやりくりしている同僚もいましたが、自分にはそれができませんでした。

どういった経緯でスタートアップへの転職を?

「できるだけ成長している市場」に転職すれば、結果も出しやすいはず!そのぐらいの感覚で、2015年にAppBroadCastというスタートアップ企業に縁あって入社しました。スマートフォンゲーム向けメディア“ゲームギフト”の会社だったのですが、ここでの経験は本当の意味での転機だと思っています。この会社でのちに、KDDIグループへの売却経験をするのですが、ここで出会った小原 聖誉さん(当時の代表取締役)には、今でも相談にのってもらうことがあります。前社のこともあって営業にマイナスなイメージを持っていましたが、そのイメージが払拭され、楽しく働かせていただきました。

具体的に払拭されたイメージとは?

ただ数字を追うだけでなく、目標のためにどうするかを考え、失敗しても改善することが大事だという考え方や、ビジネスファッションがスーツじゃなくてカジュアルスタイルでOKだったり、ただ足を使って闇雲に飛び込むのではなく仕組みを作ったりなど……。業界の体質が僕のキャラに合ってるように感じました。スタートアップ企業ならではの柔軟さで、市場価値を求める営業スタイルを確立できたのは大きかったです。ただ数字のためだったら辛いけど、お客様が喜んでくれるなら楽しんでやれますから。

 

当時、力を入れて取り組んでいたことを教えてください

「正しいものを正しく売る」ことです。営業はただ成約してくるだけではなく、顧客のフロントで顧客の声や業界の課題感を得ることができる唯一のポジションだと考えています。

営業戦略の立案や営業活動はもちろん、新機能やプロダクト、サービス自体に至るまでのフィードバックなど、営業に関連するものは全てやりました。時にはノウハウもなかったのに、社内の評価制度の立案や営業メンバーの採用計画などまで担うことも。単純に仕事の内容が多いだけでなく、任される仕事の幅や与えられる裁量が多く、とてもやりがいがありました。

自分で考え、自分で切り開く営業という仕事は、デザイナー時代同様に創造性が求められる。まさに、クリエイティブな仕事だなと思います。AppBroadCast在籍時は全体の売り上げの約8割を担当しており、ロールモデル社員に選ばれたこともあります。

身に付いた経験やスキルはありますか?

セールススキル、マーケット感覚ですね。お客さんの課題をしっかりプロダクトの改善に反映させる感覚も身についたと思います。自分たちの感覚だけでプロダクトを考えてもそれは独りよがりの商品でしかありません。スタートアップ営業は、顧客と話してビジネスモデルを検証できる点が大切であり、魅力でもあります。

いま現在、数多くの会社から営業支援の依頼が来たり、勉強会などをおこなえるようになったのもここでの幅広い経験があったからですね。

営業マンの最高な理想像を求め、さらなる新天地へ

今の会社ではどんなことをおこなっていますか?

Virtusizeは世界中のファッションECサイトに、サイズ感やフィット感が直感的にわかるソリューションを提供しています。スウェーデンで立ち上がったスタートアップ企業なのですが、僕は外注インサイドセールスの管理とフィールドセールス、あとはPRなどを担当しています。営業を軸に常に新しい経験がしたくてこの会社に参画しました。英語は得意ではないので絶賛勉強中なのですが、グローバルな目線がとても鍛えられています。

具体的にどんなサービスですか?

簡単にいうと、ECサイトで販売している洋服のサイズ感を、今自分が持っている服のサイズと比較することができます。通販サイトで洋服を買う時に躊躇するいちばんの要因って「サイズが合うかどうかが不安」という点が大きいですよね?

そんな課題を解決するサービスです。国内ではルミネ、MAGASEEK、ユナイテッドアローズ、アーバンリサーチなど、そうそうたる顔ぶれのファッションECサイトに採用されています。

素敵なサービスですね。ここではどのようにセールスをしているのですか?

自分で数字を作るのではなく、自分と同じ数字を作れるよう外注にお願いする形でのインサイドセールスに力を入れています。入社した時はそんな仕組みがなくて、良い製品なのにもったいないなと思っていました。

インサイドセールスを導入することで、営業活動の効率化、受注率の上昇、見込み顧客に対する育成などが図れます。お客様の温度感を計りながらアプローチできるのは前職の経験で分かっているので、Virtusizeでもその手法を積極的に取り入れています。

営業は何名でおこなっているのですか?

新規開拓営業は、現状社内には僕だけです。ビジネスチームという意味では社内に4人いますが、アウトソースと協力しあいながら製品を売る仕組みを作り上げていくというマインドが重要だなと思っています。さまざまな意見がアウトソースも含めた各メンバーから出てきて、みんなで目標に向かっていけるような環境作りを大切にしています。

今のミッションと、これからのミッション

先ほど営業支援の依頼や、勉強会などとおっしゃってましたが、オフの活動にも力を入れているのですか?

確かに、朝日メディアラボベンチャーズでの営業講師やベンチャーキャピタル「REALITY ACCELERATOR」にて営業支援をするなど、精力的に活動する機会が増えました。また、twitterも定期的に営業ティップスを呟きます。2019年版フォロー必須のインサイドセールス職Twitterアカウント20選に選ばれたのは、今年一番テンションがあがった出来事です。

「スタートアップ営業は最高だ!」と僕は思っているので、そのことを営業職の壁にぶち当たっている人たちに伝えていきたいんです。伝えることで、新たな気づきを与えてくれることもあるでしょうし、自分自身へのインプットにもつながります。自身のキャリアとしてモチベーションを保つためにも重要だと考えています。最近はSNSを使って営業のコミュニティを立ち上げたり、面白いことはどんどんやっていきたいですね。「市場価値の高い」営業を目指してきた結果、今の活動につながっているのかもしれません。

例えばアウトプットから得た気づきには、どんなことがありますか?

自分自身の振り返りになり、得た知識を仕事に活せるのは当然ですが、自分が次に取るべき行動のヒントがあります。それに社内からも社外からも求められるような「市場価値」を意識するようになると思います。

市場価値を意識すると、日々の営業だけでなく、より上位の動き方(商材の価値向上や広報、業界の巻き込み)にも果敢にチャレンジできるようになります。「この市場を引っ張るのは自分」という意識で取り組んでみてください。視点が高まれば見える景色が変わってきます。

アウトプットは大切だけど、ついつい怠けてしまいがちな人の方が多いのでは?

僕は逃げられない状況に自分で自分を追い込みますね。サボりがちの自分を責めることなく、仕組みで解決します。幸いなことに僕にはメンターやアドバイザーのような方がいるので、自ら彼らに報告する場を設けたり宣言しています。

そう言った意見が、自分の軌道修正してくれたり、成長させてくれることもあるので、感謝しかありません。近々登壇するセミナーがあるのですが、まだ資料をまとめていないので、またメンターに「資料作成したらチェックお願いします」って宣言して作成に取り掛からないといけないですね。

モチベーションが高いですね。その秘訣は?

もちろん、モチベーションが下がる時もありますよ。そんな時は、社内外で褒められたこと、評価されたことを見返して、やる気を復活させます。もしくは、筋トレしてサウナに行って、気分転換をします。どちらも何故か最近の流行なので、流行りに乗っかっていると思われるのはイヤなのですが(笑)。

まとめ

営業はイヤなもの。そんなイメージをくつがえし、魅力的で楽しい仕事だなと感じさせる鈴木さん。「扱っている商品やサービスに魅力がない」と嘆くより、お客様が、あなたのサービスのどこに価値を見いだし、どこを魅力的に感じているのか……。戦略を持ってキャリアを歩みたいものです。

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