毎日着るスーツは定期的にお手入れをしないと変なシワや癖がついてしまいます。
そして、そのお手入れも、正しい方法で行わないと、スーツの持ちも悪くなってしまうのです。
顧客の前でくたびれたスーツを着ていては、ビジネスパーソンとしての印象もよくありません。
そこで、今回のコラムでは、第一印象を決めるスーツの手入れ方法についてお伝えします。
目次
スーツにシワができる理由
スーツの素材となっている繊維の種類によってもシワの出方が違います。
- ウール:シワができやすく、戻るのも早い
- ポリエステル:シワになりにくいが、一度ついたしわは取れにくい
スーツにシワが発生する状況はさまざまですが、基本は椅子に腰かけたときのように、長い時間何かに押し付けれれた時です。
シワができた状態が長時間継続され、汗で湿気を持つことで、よりシワが消えにくくなるのです。
つまり、汗で湿気を含んだスーツに圧力を加えることでシワを作っていたのです。
またスーツ自体にダメージが蓄積されて生地が傷むことでも、シワは発生しやすくなります。
スーツの基本的なお手入れ
スーツの傷みを抑えるためには、定期的なメンテナンスや手入れが必要になります。
基本となるスーツの手入れ方法についてご紹介しましょう。
1日着たら最低限1日休ませる
スーツはしわができても、ハンガーなどに掛けて形を整えておけば、時間と共にゆっくりと回復します。
そして1日着たスーツを十分回復させるためには、少なくとも丸1日休ませなければなりません。
原則1日着たら1日休ませるというサイクルを守ることで、スーツを長く着ることができるようになります。
サイズに合ったハンガーを使う
スーツのサイズに合ったハンガーを使うことで、型崩れを防ぎスーツへのダメージを最小限に抑えられます。厚みのあるハンガーで、基本は肩幅の合うものがベストです。
パンツも同様、専用のハンガーを使用しましょう。裾を挟んで逆さに吊るすことで、型崩れを防止する役割があるのです。
定期的なブラッシング
着用したスーツはほこりや花粉などが付いていて、そのままに保管しておくとカビや虫食いの原因になります。大切なスーツを長く着るためには、定期的なブラッシングが効果的です。ブラッシングすることで繊維へのダメージを緩和し、ほこりなども取れてスーツの持ちが変わってきます。
1日の終り、スーツを脱いだ際に専用ブラシでお手入れしましょう。ブラシがなければ、粘着クリーナー、いわゆるコロコロで埃を取るだけでも効果的です。
<基本的なブラッシングの方法>
- 上から下に優しくかける(毛の流れに沿ってかける)
- 襟やそでの細かいところのほこりを掻き出す
- ポケットを裏返してブラッシング、フラップ
- パンツはハンガーにつるした状態で、裾から腰に向けてブラッシング
ブラシは豚毛・馬毛で硬めのものを、実際に店で手に取ってみて手に馴染むものを選分のが良いでしょう。どれを選べばいいか分からないときは、紳士服店のスタッフに相談してみてください。
ポケットを空にする、重いものを入れない
理由は単純で、ポケットに物があると生地が引っ張られ、型崩れにつながってしまうからです。
また、ポケットが膨らんだ状態ですとシルエットも崩れてしまい、だらしない印象になってしまうので、スーツのポケットは、基本的に何もいれないようにする習慣をつけましょう。
状況に応じたスーツメンテナンス方法
突発的に起きたアクシデントでも、自分で何とかできる場合もあります。状況に応じてお手入れしてみましょう。
スーツに汚れが付いたときの対処
油分のある汚れは、ベンジンをつけた歯ブラシで軽く叩くと落ちます。
水溶性だと下にタオルを敷いて硬く絞ったタオルで叩くなど応急処置の方法はあります。
スーツに汗染みができたときの対処
最近は洗濯機で丸洗いできるウォッシャブルスーツもありますが、本来のスーツは生地や設計上の関係で水洗いには向いていません。
汗染みができてしまったときは、濡れたタオルで汗の部分をポンポン叩いて汗を抜いておきます。生地が傷むので擦らないように優しく当てましょう。
スーツのしわが取れないときの対処
1日休ませてもしわが落ちなくなってきたら、ハンガーにかけたまま霧吹きで水をかけて、そのまま置いてみてください。ある程度きれいになります。
しかし、スーツは基本的に消耗品なので、どんなに手入れをしていても劣化していきます。
クリーニングに出しても表面が傷んでいるようなら、買い替えのサインですので、新調することを視野に入れたほうがいいでしょう。
クローゼットに長期間保管するとき
長期間保管する前には、クリーニングに出し細かい汚れ・しわを取っておきます。
この汚れがカビの発生や虫食いの原因になるからです。虫食いは防虫剤で対処できますが、カビには対応できません。
クリーニングから戻ったらビニールを取り、こもっている湿気から守ります。不織布のガーメントバッグに入れ替えましょう。
また定期的にクローゼットの扉を開けておき、空気の通りをよくしておくのも1つです。
においが目立つ
においの対策にも蒸気が便利です。
アイロンのスチームを当てる、浴槽にお湯を張ってハンガーにかけたスーツを置いておくことで、においを軽減できます。
今すぐに消臭したい、というときは、市販の消臭スプレーをスーツの”内側”に吹きかけると効果的です。
まとめ
いかがでしたか?
第一印象をよくするためには、手入れの行き届いたスーツが大前提です。
人に会いに行く前日には、手持ちスーツの状態をしっかりとチェックしておきましょう。
普段から手入れを行うことで、スーツの寿命は長くなります。
自分の印象を左右するスーツは、欠かすことなくメンテナンスしておくようにしましょう。