
営業として働き続けているものの、働きがいを感じられていないという方は少なくないでしょう。働きがいを考えたとき、勤務環境も大きく関係しますが自分でやりがいを見つけることも大切です。今回は自分で働きがいを見つけるコツについてご紹介します。
目次
働きがい=働きやすさ×やりがい
働きがいは会社側が提供するオフィス環境や福利厚生によって大きく左右されると考える人はいるでしょう。営業の働きがいにつながる制度として導入されていることが多いのが、成果に応じて評価が連動するという仕組みです。
これまで、日本における多くの企業が実績よりも在籍期間の長さを重視した年功序列の人事評価制度を取り入れていました。これは、勤続年数や年齢に応じて給与や役職が上がっていくという仕組みです。
日本では古くから一度就職したらそこで定年退職を迎えるまで働き続けるという終身雇用の考えが一般的でした。しかし、景気が変動したり、雇用情勢に変化がみられたりしたことから会社を変えることに対して、それほど抵抗なくできる環境が整いつつあります。さらに、グローバル化や働き方の多様化が加速している現代では、もはや転職を考えない人のほうが少ないといっても過言ではないでしょう。
終身雇用の考え方が少数派になった今、人事評価にも変化がみられるようになりました。成果に応じ評価が連動する仕組みもこの流れに沿うようにしてできた制度です。会社にどのような制度があるのかどうかに加え、オフィスがアクセスしやすい位置にあるのか、営業活動をするにあたって十分な環境が整っているのかなど、働きやすさは会社により大きく左右されます。
しかし、働きがいとは働きやすさとやりがいから見出されるものだということを忘れないでください。働きがいを作るもうひとつの要素となるやりがいは個人の考え方ひとつで良い方向に持って行くことが可能です。
営業のやりがいとは?
やりがいがどうすれば得られるのかという問題は、どこにモチベーションを置くかにより、大きく異なります。一般的には、顧客への貢献や自己成長、会社での立ち位置や会社への貢献などにより見出すことができると考えられています。
1.顧客への貢献
買い手となる顧客への貢献度がモチベーションにつながるというタイプがあります。顧客の幸福度や満足度が上がったときに充実感や達成感が得られるという人です。コンサルティング営業などを行なっている場合は、顧客の目標達成やミッションの達成によって、モチベーションを見出す人も多いようです。
2.自己成長
営業職に就く人を対象に「なぜ営業職を選んだのか」という質問の回答を集めたアンケートでは、約半数の人が、自己成長を理由に挙げたといいます。そのため、自分自身のスキルアップをモチベーションに変えている人は多いことが予想できます。
「専門知識を身につけたい」、「次のキャリアに進むため」という理由で、営業職を選択している人も多いようです。
3.会社での立ち位置
実力主義の世界ともいえる営業職では、成果を出すことで、キャリアアップや年収アップが見込める会社が多いです。そのため、「昨年に比べて役職が一段階上がった」、「最年少でマネージャーになった」など、会社における自分の立ち位置がモチベーションにつながるという人もいます。
4.会社への貢献
数多くある職種の中でも、営業職は花形といわれることが多いです。これは、売上に直結する交渉や契約をやるフロントポジションになるためです。そのため、事務職などのバックオフィスに比べ、会社への貢献度を感じやすいポジションといえます。自分の生み出した売り上げが会社の業績アップに貢献したなどといった実感から、モチベーションを高めることにつながるという人もいます。
モチベーションを上げるコツ
働くうえでどこにモチベーションを置き、何にやりがいを見出すのかについては、個人差があります。そのため、モチベーションを上げるには自分がどこにやりがいを向けているのかを明確にする必要があります。そのうえで、該当項目にかかわる内容に絡めた目標を立て、数値化することが大切です。
私たちは、具体的な目標があると、それを何とかして達成しようとします。
そのため、「1年のうち毎月100万円売り上げる」「半年のうちに社内MVPを取る」「顧客の業績を20パーセントアップさせる」「昨年度の社内売り上げを上回る」等、具体的な期間や数値を提示した目標を掲げるようにしましょう。
リミットや数値目標があると、目標達成まで逆算して計画的に業務を進めることができるようになします。目標を立てて満足するのではなく、「いつまでに、何をどうすればいいのか」、「何から取り掛かれば良いのか」と、細分化して具体的なタスクを用意することが大切です。
定期的な振り返りでモチベーションを維持
目標を追い続けるだけで、他には何も意識せずにモチベーションを維持することは容易なことではありません。「目標を達成できなかった」、「上司に怒られた」等、さまざまなシーンで気分が落ち込み、モチベーションダウンの危機を迎えることでしょう。
モチベーションが落ちてしまうと、連動するようにやりがいを見出せなくなり、働きがいの有無にも支障をきたします。モチベーションが下がる前に定期的に振り返りを行なう習慣をつけることで、モチベーションを維持できるようになるでしょう。
振り返りの中で大切なことは自分を客観視することです。「やる気がない」、「作業効率が落ちている気がする」などという主観的な振り返りは、非常に簡単ですぐに把握することができますが、具体的な原因について追及することにはなりません。
そもそもモチベーションが今どのような状態にあるのか、下がっている場合はどのようなことが原因になり、どのようなことがきっかけだったのかなど、自分の状況をできるだけ冷静に分析するよう心がけましょう。自分の状況の分析ができたら、具体的な対策についても考えていきます。
「どうすれば今の状況を脱することができるのか」、「モチベーションはいつまで下がり続けそうなのか」、「再浮上できるきっかけはどこにあるのか」など、あくまで冷静に考えることが重要です。
主観的な考えであればあるほど、感情的になりがちで、物事を明確にとらえることが難しくなってしまいます。モチベーションが下がっているときだけではなく、向上しているときにも客観的思考を持って冷静に状況を分析することで、好調をキープする糸口を見つけられる可能性もあります。
モチベーションの維持や、それにつながる冷静かつ客観的な振り返りはすぐにやろうと思っても、できることではありません。浮き沈みのある感情をコントロールするためにも、定期的に状況の振り返りを行なう習慣をつけ、働きがいにつながるよう取り組んでいくことが大切です。
まとめ
働きがいについて考えたときに、会社から提供してもらえるものだと考えてしまいがちです。しかし、実際のところ働きがいは働きやすい環境とやりがいから成り立っているため、やりがいを見出すことによって働きがいを感じることができます。何にやりがいを見出せるのかは個人差があるため、まずは自分がどこにモチベーションを置いて仕事をしているのかを明確にしましょう。そのうえで、営業を全うすれば、おのずと働きがいを感じることができるはずです。