営業で身につけた「何とかする力」が、今の成功に結びついた~株式会社ナンバーナイン 小林 琢磨さん~

株式会社USENに入社し、華々しい営業成績を収めた後、23歳で起業。
いくつもの会社を成長させ、現在は株式会社ナンバーナインの代表取締役社長を務める小林琢磨さんに、営業を通じて学んだこと。自分を奮い立たせるコツなどを伺ってきました。

目次

将来の起業のために何が必要かを考え、営業を選んだ

―これまでの経歴を教えてください。

2007年に立教大学を卒業後、新卒で株式会社USENに入社しました。一年目に関東ブロックのMVPを取り、誰もなしえていなかった記録を達成して表彰されました。その後、2008年7月に退職。ソーシャルゲームのイラスト制作を行う株式会社サーチフィールドを立ち上げました。2016年11月には堀江貴文さんとナンバーナインという会社を立ち上げ、今年の4月からは専任に。
他にもFAAVOというクラウドファンディングの事業を立ち上げ、今年5月にキャンプファイヤーに事業譲渡しています。

―社会人のスタートに、USENを選んだのはなぜですか?

学生時代から、「28歳で起業しよう」と考えていました。それ以前には、クリエイターを目指していたのですが挫折を経験していて、それならクリエイターを支援する会社を作りたいと考えていたんです。「そのために何を勉強したらよいのか?」と考えたとき、営業は不可欠だと思ったので、営業に強いUSENを選びました。

 

 

サボらなければ営業成績はおのずと上がる

―どのような営業をしていたのでしょうか?

店内のBGMに使う有線放送のほか、当時スタートしたGyaO(現サービス名:ヒトサラ)をゴリゴリの営業で売っていました。
アポを取って商談に行くのではなく、飛び込み営業が基本です。日によって違いはありましたが、スナックやバーは夜にしか営業していません。そのため、始業の1時間前に出社して、終電まで働くこともありました。新卒は全員、営業に配属になるのですが、300人いた同期が最初の一か月で100人ぐらい辞め、半年後には半分になるほど厳しい職場でした。時代が変わり、今はそんな長時間労働はしていないようですが、あの経験ができたのはよかったと思っていますよ。

―そのような中で、営業成績を残せた理由は何だったのでしょうか?

飛び込み営業は、朝イチに会社を出て、夜まで一人でいることが基本です。つまり、サボろうと思えば、いくらでもサボれる仕事。実際、同期はほとんど皆サボっていました。でも、僕は、全くサボらないで営業し続けた。それだけで、人の二倍働けるんですよ。それに加えて長い時間働くのですから、人より多く契約が取れるのは当たり前なんです。

―そうは言っても、簡単に契約が取れるものではないですよね?

百軒飛び込んで、一軒話を聞いてくれれば良いというのが飛び込み営業なのですが、リスト作りを正しくやると、十軒に一軒の契約が取れるようになります。

有線の場合、普通のお店に飛び込んでも中々契約してもらえません。でも、業績を上げている先輩を見ていて、オープン店が多いことに気づいたんです。
じゃあ、オープン店を誰よりも早く見つけるにはどうすればいいか?と考え、タウンワークを購入して、『オープニングスタッフ募集』と書かれているところに連絡をするようになりました。そのために、タウンワークが発売される日は1~2時間早く出社していましたね。他にも、保健所で新規オープン店のリストをもらったりもしました。

 

テンションとモチベーションがあれば、つらいことも乗り切れる

―営業をする中で、つらい体験などはありましたか?

いろいろな経験をしましたよ。当時のUSENは、ひとつの街を70人ぐらいの営業マンで一斉に営業することがありました。そうすると、同じ店に何度も営業マンが行くことになり、「しつこいよ!」と怒鳴られることもあるんです。時には、水をかけられたり。でも、『すごく面白い経験だ。これはネタになるぞ!』と考えていましたね。

―精神的につらいと感じたことは?

最初はすごくイヤだと感じたこともあったのですが、自分にスイッチを入れてしまえば、イヤにはならなかったんですよ。これは元々の素質でもあり、鍛えられた部分でもあるのですが、毎日毎日飛び込んで、断られるのがあたり前だと思っていたので、気にしていませんでした。『あー行きたくないな』と感じたら、スイッチを入れて、「こんちわーっす」と行く感じです。

―そんな風に考えられるようになったきっかけなどはありましたか?

僕の上司が「営業はテンションだ」とずっと言っていました。「百軒飛び込んだら美味しいものを食べようとか、理由は何でもいいから自分でテンションを上げて、とにかくがんばれ!」と言われ、実際、テンションを高くしてみたら、本当にイヤにならなくなったんですよ。今でも、営業はテンションとモチベーションだと思ってるほどです。あとは、営業って、小さな達成感を毎日感じることができる仕事なんですよね。だから、そこを楽しむようにしていました。

―とは言っても、それでもテンションが上がらないことってないのでしょうか?

そうですね。確かに営業をしていると、心が折れそうになることがあるんですよね。ちょっときついな、スイッチが入らないな、と感じるときが。
そういう時は、先輩に声を掛けて、「一緒に営業しましょうよ」と言っていました。スイッチが入らない中、ひとりでいるとサボりそうになるんですよ。だから先輩と一緒に店を回って、交互に営業をしていくんです。そうすると、心にブーストがかかって、めちゃくちゃ飛び込めます。
モチベーションは自分で持つものですけど、テンションは周りが上げることもできます。だから、周りを巻き込むといいんですよ。

―周りのサポートが厚かったのですね?

そうですね。定時は7時なんですが、定時で帰ったことはなくて、だいたい9時、10時ぐらいまで仕事をしていました。その後、上司も含めて週に3~4日は飲みに行くんですけど、そこで、「もっと数字を上げたいんですけど、どうしたらいいですか」などと先輩に相談していました。そうすると先輩がすごく手伝ってくれるんです。僕はMVPを取っていますけど、今思うと、先輩がいろいろとサポートしてくれていたおかげで取れたんだと分かります。

 

 

営業は3つのポイントさえ抑えれば何でも売れる

―では、営業をする上で大切だと感じていることは何ですか?

基本的に3つさえできれば、何でも売れると思っています。
ひとつは需要を見つけること、需要を作ることですね。どんなにおいしいパンがあっても、お腹いっぱいの人には売れません。逆に、どんなにまずいパンでも、お腹が減ってる人には売れるんです。つまり、欲しがってる人を見つけるべきなんですよ。だから、商品の説明しかできない人は三流で、需要を見つける人が二流。で、一流の人は需要をつくりだせる人だと思うんです。需要を作ることができれば、何でも売れるんじゃないかなと思っています。

2つめは、付加価値を付けること。たとえば、百円の三色ボールペンでも、芸能人が使っていたボールペンになると千円でも売れることがあります。同じように、富士山の上では水が五百円でも売れます。つまり、その商品以上の付加価値を付けると売れるんです。

最後は実績です。需要を作って、付加価値を付けて、実績さえ作れば何でも売れます。99人が同じボールペンを使っていたら、最後の人はだいたい買ってしまうんです。

結局、ボールペンを欲しがってる人を探す、いなければ作ってしまう。ボールペンで何かを書くっていう状況をつくりだす。さらに、付加価値を付ける。そして、皆使ってますよっていう話をすると物は売れるんじゃないかなと思っています。

 

 

独立後は、営業スキルと「何とかする」発想で困難を乗り越えた

―その後、起業に至った経緯を教えてください。

営業を学ぶためにUSENに入社したのですが、『営業はもう学んだ』と感じたとき、『次の勉強をしたい』と考えるようになりました。
僕はそのとき23歳。元々、28歳で起業したいと思っていたので、「今起業して、一回失敗してもいいや」と考えたんです。たとえ失敗に終わっても、「これをやったら失敗する」ということを全部分かったうえで、もう一度起業ができると強いですよね。だから、起業の勉強するために起業しようと思ったんですよ。

―結果的に、順調だったのでしょうか?

ベンチャー企業がぶつかる壁に、すべてぶち当たりました。目の前の壁にぶつかって、一つ一つ乗り越えて来ました。「来月お金がなくなる」という状態が、一期目に3回もあり、銀行の残高が198円になったこともありました。そんな状態のとき、「何とかして乗り切ろう」と考えられたのは、営業を学んでいたからです。他社の商品の営業代行もやり、何とかして乗り切ったんですよ。

―USEN時代に身につけた営業スキルが、起業後も役だったということですね。

サーチフィールドに関してはBtoBのビジネスなので、営業の手法は違いました。でも、営業の本質みたいなところは、僕の中ではつかめていて、それがすごく役立ちました。そして、USENで実績を作ったというのが、自信にもなっていましたね。それがあったから、立ち上げ一年目で、何の実績もない状態でも、物おじせずにべらべらと営業できていましたね。

―では最後に、営業パーソンにアドバイスをお願いします。

最近だと企画職やエンジニアがもてはやされていますが、僕は、営業こそが花だと思います。なぜなら、誰にも負けない営業力さえ身につければ、どんな仕事もできると思うからです。USENとサーチフィールドでは、全く違うものを売っていましたし、個人店の営業からBtoBの営業に変わっても、営業の本質が分かっていたから問題はなかったんです。

営業は突き詰めていくと、誰にも負けないユニークスキルになります。だから、企画やエンジニアよりも魅力的で、おもしろい仕事なんです。中には、自分には営業が向いていないと思っている人もいるかと思うのですが、やりたいことと向いてることは違うことが多いものです。まずは、営業を突き詰めていくといいと思います。

 

まとめ

「テンションはやる気で他人が上げられるもの。モチベーションは情熱で自分が上げるもの」という小林さんは、周りを巻き込みながら結果につなげてきました。
時間のコントロールを自分でできる営業は、つい甘くなりがちですが、自分のためにも前向きにがんばることで得るものが多くなるのかもしれません。

 

●取材協力
マンガサロン トリガー:http://mangasalon.com/
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