営業職への就職・転職相談会の中で「未経験なので不安」「転職活動の進め方が分からない」という方が多くいらっしゃいます。
そこで今回は、ホテルでのバックヤード、店舗での接客、ホストクラブでの勤務を経て、営業として活躍している花里さんに、営業職を目指そうと思ったきっかけや、どのような就職活動を行なったのかをインタビューいたしました。みなさまの転職活動の一助になれば幸いです。
目次
簡単に、これまでの経歴を教えてください。
専門学校を卒業してからずっと、サービス業として働いていました。
高校卒業時に、将来は人を楽しませる事や、感動させる事が出来る仕事がしたいと思っていたのと、父がホテルに勤めていたという事もあり、自分が就職をするならサービス業だ、と強く思っていて。ホテルの専門学校に進学しました。
就職するにあたり、父の勤務先であったホテルに就職を希望していたのですが、そのホテルが建て替え中で・・・。
なので最初は、ミシュラン1つ星の中華レストランに就職し、ウェイトレスとして2年間勤務しました。その後、ホテルの建て替えが終り、リニューアルオープンの従業員募集の際に中途として入社することが出来ました。
そのホテルでは料飲部という、主に、直営レストランの接客業務を行なう部門に配属されました。
そこでは、電話・Web予約の対応や管理業務、社内他部署の従業員や顧客へのプランニング、御礼状・詫び状等の文書作成、メニュー作成など、バックヤード業務を担当していました。その業務の中で、社内の営業部門と関わることが増えて、営業職に興味を持ち、いつの間にか自分も営業職に就きたいと思うようになった、という感じです。
営業職に就きたいと思った理由は何ですか?
理由は、大きく2つあります。
ひとつは、自社と顧客をwin-winな状況にしたいと思ったからです。
ホテルやレストランにも、当たり前ですが「売上目標」があります。それを達成するために、営業部の方々が日々奮闘していたのですが、無理難題を依頼してくる事が少なからずありました。
例えば、宴会の平均単価が規定を下回っていたり、宿泊の費用を値下げしたり…とにかく、顧客の要望をそのまま飲み込んで、各部門に「これでお願いします」と要望してくることがありました。これは、ホテル全体として売上があったとしても、部署毎に見るとどこかが損をしている状況です。
それでは、顧客に満足頂いても、サービスを提供する側としてはあまり気持ちの良いものではありません。
顧客の要望に応えるのは当たり前ですが、私は、サービス業はあくまで商売だと思っています。
料金をいただいて、それに見合うサービスをするというのが基本だと思っているので、全ての要望に応える必要は無いと思っています。ですが、出来ませんと突っぱねてしまっては、サービスを提供する側の自己都合になってしまうので、たとえ100%の要望が叶えられないとしても、代替案を提案してお互いすり合わせる必要があると思っています。
そうすることで初めて、サービスの提供側も顧客側も満足できる、win-winな状況が生まれると思っています。その状況を作るためには、接客スキルだけではなく営業スキルも必要だと考えた時に、営業職を目指そう、と思いました。
ふたつめはとても単純です。
顧客や会社から「ありがとう」をたくさん言ってもらえるような存在になりたいと思ったからです。
もちろん、サービス業でも叶えられる内容だとは思いますが、営業職の方が売上や受注数などの数字としても明確に実感出来ると感じたからです。
営業職への転職活動、どのような業界を見ていたのですか?
実は、現職に就くまでに、3回転職を経験しています。
というのも、営業はやりたいけど、何を取り扱う仕事をしたいのかが自分の中で全く定まっていなかったからです。
ですが、「売るモノ」が何であれ、やる事は一緒なのではないかと考えていたので、まずは色々な仕事を経験し、知識とコミュニケーションスキルを更に鍛えよう、ということで、3つのサービス業を経験しました。
ひとつめは、保険会社でのテレフォンアポインターです。
ホテルで電話対応の経験はありましたが、問合せの対応が主だったので、プッシュ営業の経験を積むために勤務しました。
良く考えると・・ここで営業の経験積んでますね!笑
初めてのことだらけだったので苦労することもありましたが、顔の見えない相手に電話越しでヒアリングする力や、迷っている相手にクロージングする方法、あとは、基本的なアポイントの組み方を学びました。
ふたつめは、総合ディスカウントストアです。
電話での会話の仕組みはある程度理解したので、次は直接顧客と接点を持つ業務に就きました。
ここでは、自分が今までしてきた接客業務を振り返りながら、現場でのオペレーションの仕組みやシフト管理を学びました。
最後は、ホストクラブです。
女性でも勤務する事が出来る店舗があったので、挑戦してみようと思いました。
ここでは、新規顧客に対して自分自身を商品としてプレゼンテーションすること、あとは、社内外関係なく、多くの人に気持ちよく動いてもらうための交渉術を学びました。
営業職に就こうと決心できた理由はありますか?
言葉にするのは難しいですが・・・営業としてやっていける覚悟が出来た、ということですかね。
これまでに5つのサービス業を経験しましたが、共通してるなと思うことがあったんです。
それは、顧客に対してきちんと向き合えば自然と顧客が支払う料金が上がるという事です。
身も蓋も無い言い方をしてしまうと、顧客満足度と料金は比例する、ということですね。笑
それを実感したとときに、営業も本質は変わらないな、と思って。もしかしてやってけるかも、と。
あとは、初対面の相手でも表情や声のトーン等で「満足してくれてるな」というのが分かるようになってきたので、営業として顧客と顔を合わせらても恥ずかしくないな、と思ったからです。
最後に、これから営業職を目指す方にメッセージをお願いいたします。
会った事も見た事もない方と話す事はとても難しい事でしょうし、緊張もすると思います。
しかし、様々なタイプの人と話せる営業職は自分の視野を広げる良いきっかけにもなりますし、自身の市場価値を上げるという意味でも、人生にとても役に立つと思っています。
営業職に挑戦しようか悩んでいる方は、怖がらずに飛び込んでみて欲しいと思います!