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遊びの中で営業スキルを磨き、改善を繰り返せばTOPになれる! ~未来電子テクノロジー株式会社CEO福本真士さん

役者から芸人、営業、プログラマーを経て起業に至ったという異色な経歴をもつ未来電子テクノロジー株式会社CEO福本真士さん。学生たちを企業留学というスタイルで職場体験させる、新しいインターンシップの仕組み「GOunite(ゴーユナイト)」の主催会社として、関西で活躍している実業家です。芸人のサイドワークとしてはじめたテレアポ営業では、わずか1ヶ月でトップセールスを記録したという実力者であり、さらに注目したいのは、その再現性を求め、周りの人も高い数字をたたき出したこと。自分をしっかりともち、ロジカルな思考をもつ彼の営業スタンスとスキルの磨き方についてお話をうかがってきました。

目次

高速で改善を繰り返すことで他の人がやらない手法を編み出し、トップセールスになれた

変わった経歴をおもちと聞きましたが、はじめて営業をするまでの経緯を教えてください。

大学1年の頃、「映画に出て、エンドロールに名前を載せたい」と思い活動し、在学中に目標を達成しました。そして、大学を出る頃に、吉本芸人たちと舞台に上がるチャンスを得たんです。舞台では、自分のパフォーマンスがすぐに返ってくるというところに面白さを感じ、2人で漫才をやるようになりました。ライブ活動をしていたんですが、当然、それで生活できるだけの収入は得られません。そこで、時間に融通がきいて、かつお金が稼げる仕事を探し、テレアポにたどり着きました。これが面白かったんです。

どのような点に魅力を感じたのですか?

僕は、そのまま電話をかけ続けるのではなくて、1コールごとに改善していきたいタイプです。そうやって進めていたら、1か月目が終わった段階で、全国に1000人くらいいた営業の中でトップになっていたんです。さらに、それに応じたお金ももらえたというのも楽しかったですね。

1位を取るのは簡単なことではないと思うのですが、どのような工夫をされていたのでしょうか?

単純に、改善の積み重ねだと思うので、ゲームのような感覚でやっていました。1件電話をかけると1つの問題点が見えてきます。次は、その問題点に対して別の形でやってみる。その次は、また別の形でやってみる。そうやって、ある程度繰り返せば一定のパターンが見えてきます。そこから共通のものを組み合わせると失敗パターンが分かってくるんです。失敗の原因が特定できれば、あとはそれをつぶした解決策を1個投げて、反応を見る。そういうことをずっと、高速でやっていました。最終的には、「もしもし」の「もし」って聞いただけで、契約を取れるか取れないかが分かるぐらいになっていましたね。

具体的な手法としてやったことを教えてください。

最初にテレアポ営業の職場に行ったとき、全員がすごく高い声で話していることに違和感を覚えました。相手の立場で考えると、その声を聞いただけで営業だと思われてしまうから失敗するんです。そこで僕は、話し方を変えたんです。語尾を上げずに、ぐっと気持ちを込めるように淡々と話していく。そうすると、今までかかってきた営業とタイプが違うので、「何かの案内かな」という感覚で聞いてくれます。話を聞いてくれれば、成約率が上がるのは当然です。電話での営業は見た目ではなく、声だけで戦うしかありません。声の質、トーン、テンポ。この辺を相手に合わせるようにして営業をしていました。

チームの給料が上がりすぎ、制限がかかったことで転職

成約が取れないときはなかったのでしょうか?

つらいと感じたことはありませんでした。ただ、家を出るときにイチローの感覚になっていましたね。「今日だけは5件取らせてくれ。明日は取れんでいいから」って、毎日思うんです。取れないときは、それをカバーしないといけないんで、「今日だけでいいから7件取らせてくれ」って。そうしたら、結構取れるんですよ。

稼げていたのに辞めてしまった理由はなんでしょうか?

僕のチームは、全部のノウハウを共有していましたから、全員が成約を取れるようになっていたんです。すると、インセンティブ制なのに稼げる額に上限ができてしまいました。そうなると、僕にとって魅力的な仕事ではなくなったので辞めました。

その後、別の会社から新規で営業組織を構築するオファーがあって、軌道に乗せるまでを条件に、僕と同じチームで成果を出していた3人で移籍し立ち上げを手伝いました。半年ほどで成果を出した後、起業するために一度プログラマーとしてITベンチャーに就職しました。

対面営業でも、人とは違う営業手法にたどり着いた

起業後は、すぐにうまくいったのでしょうか?

起業してからは、自分たちで作ったものを自分たちで売りに行くのですが、対面の営業というのをやったことがなかったわけです。最初は、テレアポと同じようなやり方でやっていたんですけど、2週間くらいたって、それでは結果が出ないことにときに気づきましたね。「あ、このやり方じゃない」って。

そこで、改善がはじまるわけですね。

そうですね。対面では、会って話している中で、「その人が何を欲しているのか」をキャッチしないといけません。その上で、質問Aが来たときにはAを返していくわけですが、これだと取れるときと、取れないときがでてきます。しかも、Aに対してAを返すんだったら、他の人が普通にやっていることだと思ったんです。

そこで、Aに対してBを返して、BにはC、CにはD、DにはAを返すみたいなプロセスに変えていったんです。すると、お客さんは全体像を把握できるようになり、お客さん自身がわかっていなかった部分もまんべんなくわかるようになります。そうして、僕に対しての価値が生まれるようになりました。そこから決定率が一気に跳ね上がりましたね。

具体的にはどのように進めるといいのでしょうか?

営業マンが売っているものって、結局は「時間」だと思っています。お客さんが本当に知りたいのは、「この商品にはこんな機能があるから仕事が楽になります」ということではないんですよ。お客さん自身にやりたいことがあって、そのための方法が知りたいわけです。そのためには、なぜできないのかを順序立てて説明していって、最後に「それをやるには、これが必要です」と話をするといいわけです。

では、直接商品やサービスを売っているわけではないということでしょうか?

そうですね。普通の営業マンは、「もしこうなったら、こうなる」という可能性の話をしがちです。でも、本当に価値を感じてもらえる部分には、可能性が含まれていてはダメなんです。同じ効果を得るために、1個目はこれやって、2個目はこれで、3個、4個・・・と、これを全部やれれば、お客さんが手を動かしても絶対に成果が出ます。でも、それが出来ないから、代わりにやるのがこの商品ですという感じで勧めるべきです。答えを全部教えて、お客さんが「じゃぁ、それ自分で1回やってみるわ」ってなるんだったら、それはそれでいいと思っています。

他に意識していることはありますか?

話をちゃんと聞いてもらう前には、警戒している段階があります。そこをどう崩していくのかというところは、1つのテーマとして持っていますね。多くの人は、正しいことをやっています。ただ、みんながやっている時点でレッドオーシャンなんですね。それに気づいていない。だから、正攻法以外の解決策を見せてあげることが重要です。「正しいことをやっているけど、結果が出てないから今日の話の場があるんですよね。じゃぁ、正しくない考え方から1回考えて行きましょうか」って話しをすると、「それなら聞いてみよう」と警戒心がなくなって、ちゃんと話を聞いてくれます。

営業手法は違っても根幹部分はみな同じ。遊びの中でスキルを磨く

福本さんの会社ではみんなそのような営業スタイルなのでしょうか?

ほかのメンバーは、みんな営業のスタイルが違います。マシンガンのような勢いで話してお客さんとすごく仲良くなっている人もいれば、アイスブレイクにめちゃくちゃ時間を使っている人もいます。機関車みたいにまっすぐ要件を伝えていく人もいますけど、全員押さえるべき核は「時間を売る」ことで共通しているので、契約にはつながっていますね。

契約が取れる秘訣があるのでしょうか?

しゃべることを決めて、営業をしてはいけないと思っています。当然、準備はしたほうがいいのですが、「これをしゃべる」って決めていったり、作った資料をそのまま読み上げたりするのは違うなと。その場での現場感というか、空気を読んで、相手のニーズをキャッチして、自分がもっている答えを伝えていくことが大切です。

そうならないために、やっていることってありますか?

ロープレをメタにやるというのを編み出しました。「メタロープレ」と言っています。自分が話したいことがあって出向いても、相手が聞きたくない内容だと、そのまま話は終わってしまいます。営業は相手のニーズに合わせて話をしなくてはならないわけで、それを普段から練習するための方法です。

例えば、「営業」と「マグロ」はまったく関係ないテーマです。これを、あたかも関係あるように、「営業とマグロってめちゃくちゃ似ているんですよ」と話すんです。当然、「それ、全然似てないでしょ」という反応はありますが、どこが似ているいかっていうのをリアルタイムで考えながら話します。「マグロって止まったら死ぬ」とか、そういう抽象的なアナロジーの部分を出して、「営業もずっとデスクに座っていたら契約が上がらんのと同じように・・・」という風に話をもっていくわけです。これを、たえず遊びとしてやっていると、営業の力を高める技術が身につくと思います。

面白いですね。遊びとスキル磨きの融合といった感じですね。

そうですね。僕は、「GOunite」で多くのインターン生と関わっていますが、そこでは、初日にインターン学生たちにルービックキューブをやってもらうんです。まずは、「ルービックキューブを2分で全面そろえるために、どれくらいの時間が必要か?」という課題を出します。ここで「1週間かかります」などとバッファをとる人って、営業もだいたいできないんですよ。

やり方としては、答えを見てもいいのですが、それだけでは2分は切れません。理屈が分かったら、次はその型を自分の基礎反射に落とし込む必要があるんです。そうして、2分を切れるようになったら、「このルービックキューブをなぜやったと思う?」と聞いていきます。

そこで出てきた答えを営業と組み合わせて行くんです。「物事を基礎反射に落とし込む。核があれば、覚えなくていい。それって、営業に置き換えたら何になる?」というように話をもって行きます。それを自分で定義して、身に着けて、やってみるわけですが、ルービックキューブでの成功体験があるので、次のステップへの取り組みも早い。こういうところにも、メタロープレを活かしています。

最後に、営業をしている人にメッセージをお願いします。

営業をカテゴライズして難しく考える人もいますが、実際にやっていることを見たら、結構面白いこといっぱいあると思うんです。データサイエンティストとかよりも、僕はデータを集められると思うし、リアルに人と話をするわけですから。その傾向から、その人たちが気づいてないことに、自分だけが気づけたりするのも楽しいですし、ぜひ楽しんでやってもらいたいと思います。

まとめ

GOuniteでは口コミで月間100人のインターンを希望生が集まるようになっていますがそこには福本さんの魅力的な人柄が大いに関係しているのではないかと感じました。福本さんが営業でTOPの成績を収めてきたのは、常に前向きで、非常にロジカルな思考をしていたから。短期間で改善を繰り返すことで、落ち込んだり、悩んだりすることもなかったとのことで、高速で改善をし、結果につなげていった福本さんのやり方は、多くの営業担当者が参考になるものと思います。

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