長く営業職を続けていると、突如成果をあげられなくなるときがあります。
一般的に「スランプ」と呼ばれる状態であり、精神的にも辛い時期です。
しかし、スランプは誰にでも起こる自然なことであり、冷静になって正しい対処方法をとれば、近いうちに解消できるので心配ありません。
このコラムでは、営業職でスランプに陥ってしまった場合の、原因と11つの対処方法について詳しく紹介します。
スランプは誰にでも起こりうる自然なこと
いざ実際、スランプになってみると、自分に何か大きな問題があって、成果をあげられなくなっていると思い込みがちです。
ですが、スランプは外部要因や本人の精神状態など、様々な要因が複雑に絡み合って起こっているものなのです。
プロスポーツ選手であっても、スランプに陥ることはあるので、仮にあなたがスランプだとしても、不思議なことではありません。
少し時間をかけて、要因を解明していけば、必ず解消できる現象です。
スランプに陥っている要因を考える
一刻も早くスランプから脱出するためには、スランプに陥っている原因を解明し、その対処方法を知ることが重要になります。
しかし、スランプに陥ってしまう要因は、人それぞれであり、一概に断言できるものはありませんが、基本的な要因は存在しており、そこから自分に当てはめて分析していくことはできます。
そこで、まずはスランプの主な種類とそれぞれの対処方法について紹介していきます。
◆外的要因によるスランプ
外的要因によっても、スランプに陥ってしまう可能性があります。
本人に問題はなくとも、市場の変化や競合他社の出現など、自社の商品が売れにくくなる理由は存在するのです。
商材のニーズが少なくなる時期である
自社が取り扱っている商材が、季節によってニーズが変動する属性を持っている場合、営業の難易度も違ってきます。
例えば、扇風機や冷房などの電化製品は、夏入り前には売れやすくなる反面、夏を過ぎる頃には売れにくくなる商材です。
もし時期的に商材が売れにくいのであれば、本人のスランプではなく、自社の商品戦略を見直さなければならない状況である可能性があります。
競合他社に顧客を取られたことによる影響
競合他社が新商品や低価格で高品質な商品を売り出した場合、これまでの戦略では通用しなくなるケースがあります。
場合によっては、ライバル企業の新商品に関する情報が遅れて入ってくる時もあるので、まずは情報を集め直した方がいいかもしれません。
商品力で他者に負けている場合、営業パーソンがどんなに優れていても、成約を勝ち取るのは難しいでしょう。
もし、競合他社の情報が不足しているのであれば、店頭に足を運んでみたり、クライアントにインタビューを行なったりなど、リサーチするのも方法の1つです。
市場の状況が変化している
市場での顧客ニーズそのものが変化しており、商品が売れにくくなっている可能性もあります。
特にファッション関係など、トレンドが重視される商材の場合は要注意です。
最新の情報誌などにも常に目を配り、アンテナをしっかりと張り巡らしておくようにしましょう。
◆内的要因によるスランプ
また営業パーソン本人の問題で、スランプに陥っているケースもあります。
自分自身の事なので、自分では気づきにくく、解決方法が見つけられない人も多いでしょう。
焦りやプレッシャーから悪影響が出ている
営業職をやっていると、毎月売り上げの数字目標に追われることになります。
順調に数字を伸ばしているのであれば問題ないのですが、うまく受注を得られないときもあるでしょう。
そんなときは精神的なプレッシャーから、パフォーマンスが低下する人も多いのです。
営業のための準備が不足している
営業活動行う際には、ターゲットの選定や、それにあわせた営業資料、トール内容など様々な準備が必要です。
商材の市場は常に変動しているため、定期的に内容を見直さなければ、いずれ通用しなくなる可能性が高いのです。
もしスランプに陥る前から現在まで、トークや戦略を見直していないのであれば、そこに原因があるかもしれません。
営業を楽しめていない
基本的に営業は、人と会うことや誰かの役に立つことを、やりがいに感じる人に向いている仕事です。
もし人と会うことを楽しめていない、顧客のために何かしてあげたいという思いが出てこない場合は、営業そのものに向いていないのかもしれません。
体調不良によるパフォーマンスの低下
自分が気づかないうちに、体調不良で思ったようなトークや営業ができていない場合もあります。
営業は目に見える部分だけではなく、声のトーンや姿勢、気配りなども成果に影響してくるからです。
今まで意識できていたことができなくなったなど、自分の中で不調の変化を感じたときは、体調不良疑ってみたほうがいいかもしれません。
スランプの要因を取り除く
ここから、いずれかのスランプに陥ってしまった場合の対処方法について解説いたします。
ケースバイケースとはなりますが、スランプに陥って対処方法がわからないと言う人は、参考にしてみてください。
◆外的要因によるスランプの対処方法
商材のニーズが少なくなる時期である場合
他に自社が取り扱う商品があるならそちらを中心に営業活動を行うのも良いでしょう。
例えトップセールスであっても、ニーズがない商品は売りようがありません。
そのため、売れるようになったときに備えて準備を行うか、別の商品を取り扱うのが基本的な対処方法となります。
競合他社に顧客を取られている場合
一部分の機能だけでも、自社商品が優れているポイントがあるのであれば、そこを中心に提案することもできます。
しかし、あらゆる面において相手の商材が優れているのであれば、商品の改良を検討した方が良いでしょう。
不況による影響が出ている場合
すべての法人や個人が不景気と言う事はないので、根気強く新規開拓を続けるしかないでしょう。
あるいは、見込み客を作る際のマーケティング方法を変更するなどの手段もあります。
市場の状況が変化している場合
トレンド商品を求める顧客は、どんなにがんばっても、流行が過ぎた商品は買ってくれません。
これは営業個人のスランプではなく、商品自体がニーズから離れてきている状況なのです。
商品の企画を考え直す時期なのかもしれません。
◆内的要因によるスランプの対処方法
焦りやプレッシャーから悪影響が出ている場合
精神的な焦りなどからスランプに陥っている場合、他の要因よりも解決が難しいといえます。
少なくとも仕事の中で数字に追われているうちは、常にプレッシャーを感じることになるため、気分転換なども難しいでしょう。
精神的なプレッシャーが要因であることがわかっている場合は、上司に相談して今後の方針を考えた方がいいかもしれません。
営業のための準備が不足している場合
営業戦略に不備が出て成約を得られない場合は、戦略の練り直しで解決できる可能性が高いです。
そもそも現在の戦略のどこに不備があるかわからない場合は、上司や同僚などに相談しながら意見をもらうと良いでしょう。
マインドマップなどを使いながら、論理的に図面かすると、より確実な戦略を立てやすくなります。
営業を楽しめていない場合
営業そのものを楽しめていないのが、もともとなのであれば別の職種への転職や移動を検討した方がいいかもしれません。
ただスランプであるがゆえに悪循環で、嫌だと感じているのであれば、旅行などを通して気分転換することで、解消できる場合もあります。
ちなみに営業職が選ばれる主な理由は、以下のいずれかです。
・インセンティブがある
・人と話すのが好きだから
・デスクワークが嫌い
・事務作業が苦手
もしあなたが、上記のどれにも当てはまらず魅力を感じないのであれば、別の職種が向いている可能性もあります。
体調不良でパフォーマンスが低下している場合
慢性的な体調不良から、営業のパフォーマンスが低下している場合は、一度病院に足を運んでみましょう。
長期的な休暇が必要であれば、その旨を上司や会社に相談して、スランプの脱出を目指すのが最善の方法です。
営業の現場は体力仕事でもあるので、どうしても難しそうであれば、新人の教育側に転身するなどの方法もあります。
その他のスランプ対処方法
上司や会社に相談する
スランプに陥ったときは、どんな要因であれまずは会社や上司に相談してみましょう。
自分1人で悩んでも、解決策や原因はなかなか見つけられません。
客観的な意見やアドバイスをもらう意味も込めて、早い段階で相談してみてください。
スランプが長期化すると、それだけ精神的な負担も大きくなってしまいます。
会社や上司もそのような相談に対して、無下にすることはないでしょう。
もし、万が一、無碍にされるようであれば、それこそ転職を検討したほうが良いでしょう。
長期休暇を取得してリセットする
長い間、長期休暇などを取得していないのであれば、1度旅行などに行ってリセットするのも良いでしょう。
日常や環境がマンネリ化すると、日々の刺激が少なくなり、精神的な活力がなくなってきます。
常に新鮮な気持ちで営業活動行うためにも、定期的に刺激を感じられるような環境に身をおくことも重要です。
一言にスランプといっても、人によって様々な要因や背景があります。
スランプは誰にでも起こりうる現象であることを理解した上で、適切な対処をしていきましょう。