2019年7月「インサイドセールスの本場に学べ!外資企業のインサイドセールス手法と、日本ローカライズされたポイントは?」をテーマとしたカンファレンスInside Sales Meetup 2019 Summerが、営業に特化したWEB会議システムのbellFaceを展開しているベルフェイス株式会社主催で開催された。
本イベントでは、インサイドセールスといった新たなセールスモデルを牽引する外資系企業3社が立ち上げからスケールするまでの背景などを語った後、ベルフェイス株式会社代表の中島氏から今後のインサイドセールスの未来を語ったイベントの構成となっている。
本稿では、複数のセッションの中でベルフェイス株式会社の「1,000社の日本企業インサイドセールスを支援してきたベルフェイスの考えるインサイドセールスの未来」の模様を一部抜粋してお伝えする。
目次
インサイドセールスを成功させるうえで、まず試すべき方法は「分業」
1,000社を超える企業様と取引をし、インサイドセールスについて深く関わっていく中で、結果うまくいかなかった企業も見てきました。訪問する営業にベルフェイスのIDを渡して「とりあえず非効率なエリアとか見込みの低い顧客に対してベルフェイス使ってみて」と言って失敗していくマネージャーを70人くらい見てきました。
皆様がマネージャーであり、明確なプロセスやKPIを設計せず、ベルフェイスのIDをただ単に渡していたとしたら3カ月待つ必要はなく明日失敗してます。
失敗しないためには「商談を設定するチーム」を作ることだと続ける。
商談設定をする人は極論、時短や在宅でも問題ありません。商談を設定することを専門としたチームを作ってベルフェイスを使い、商談する人のグーグルカレンダーにスケジュールを設定していく。必要があればセールスフォースなどの情報も参照しながら、商談時間になったら商談する。
また訪問すべき商談の棲み分けも必要で、訪問して良い企業の基準を明確にする。商談が進んでいてある程度の見込みがあり、役職者含め5人が同席するなど、こういったフェーズの商談は訪問して良いとし、それ以外はダメといったルールを設けることが大事です。
インサイドセールスの3ステップ
インサイドセールスでは次のことを行わなければ大体が失敗します。
- ・商談を設定する専門のチームを作る
- ・インサイドセールスでオンライン商談をする
- ・訪問基準を明確にする
次にインサイドセールスの今を振り返る
Forbesに掲載されたインサイドセールスドットコム社の記事によるとアメリカでは年商500億円以上の企業の28%、つまり3人に1人がインサイドセールスマンです。これを数年で40%までインサイドセールスマンに変化させていくと明確に謳っています。
ヨーロッパでは、2017年時点で37%がインサイドセールスマンです。2018年で39.2%、2019年には41.6%まで増えています。国内では、直近1年間で「インサイドセールス」というキーワードの検索数が1万件まで上がっています。営業手法の検索数としては決して侮れない数字かと思います。
次にインサイドセールスのキャリアについて語った。
去年、一昨年ですとインサイドセールスの求人はほとんどなかったのですが、今朝調べたら1600件になっていました。多いのは今、急減に伸びているIT系の企業や外資系の企業が募集しているのが見受けられました。しかし国内の1,000人以上の企業でインサイドセセールスを実際に導入している会社が14.2%、500名から100名の企業で9.2%、100名未満の企業ですと5.2%でした。
つまり、企業の求人やマーケットの状況として、インサイドセールスをやりたいが、経験を持っていてマネジメントを出来る人もマーケットにあまりいないというのが今の状況です。伸びているインサイドセールスという文脈だけで興味を持たれる時代なんです。営業に関わるのであれば伸びているマーケットでキャリアを作ることを取組んでみてください。まだ取り組んでる人が少ない時代に苦労して取り組むことによってマーケットで評価を受けるんです。
営業の未来
トップセールスとそうでない営業の差が平気で2倍から3倍ある。でも、営業マネージャーに原因を聞いてみてもよく分かっていません。大体、営業マネージャーが言うのが「あいつは懐に入るのがうまい」とか「あいつはマメだ」とか魔法使い扱いで良く分かりません。そのため、トップセールスが退職してしまえば何をやっていたかが分からないんです。つまり、セールスが勘と根性から抜け出せない最大の要因はこれが結論です。マニュアルを作っても研修してもロープレしても、営業が現場で何をやっているかは分からないんですね。ですのでPDCAが回りません。
ですが、これからセールスがどうなっていくかというと、非常に分かり易い世界になっていきます。セールスも見える世界がやってきます。
ベールに包まれたラストワンマイルとテクノロジーが出会う時代がやってきます。
今まで不可侵だったこの領域にテクノロジーが入ってくることで膨大なマーケットが生まれます。セールステックの恩恵を受けるのが最も早いのがインサイドセールスです。インサイドセールスをオフィスでやっている限り全てのプロセスがデータで残せます。
パソコンやスマートフォンにベルフェイスのアプリを入れておけば、発信や外出時の録画録音、セールスフォースやマルケトとの連携、メンバーの商談をリアルタイムで閲覧ができます。対して今現在ブラックボックスに包まれた訪問営業とではどちらの方が成果は高いでしょうか。
我々はここを信じてインサイドセールスのテクノロジーを進化させていきたいと思っています。