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部門間を横断したチームで勝つ。ターゲットアカウントを決めた組織の業績が上がる理由~株式会社FORCASセールスチーム~

写真左から大橋さん、田口さん、柴田さん、巽さん

写真左から大橋さん、田口さん、柴田さん、巽さん

株式会社FORCASセールスチームの皆様に『チームで勝負する』をテーマにセールス組織で成果を生み出す為の話を伺ってきました。チームを率いる田口さんはトップセールスの成果が高いのは個人の力だけではないと言い切ります。では成果を高められる人はどういうった特徴があるのか、またそういった高い成果を生み出すFORCASチームの組織の強さとはどのようなものなのか、明日から取り組めることが盛沢山な記事になっています!

皆様の経歴を教えてください

田口 私のキャリアは、学生時代から新卒採用支援やインターネット関連の新規事業立ち上げを行っており、前職はクラウド名刺管理サービスのSansanにてセールスマネージャーを経験後、既存顧客に対して利用拡大と解約阻止によるLTV最大化を目的としたチームの立ち上げを担当しました。

現在はユーザベースグループの新規事業でもあるFORACSのチーフレベニューオフィサーという役回りでマーケティング、インサイドセールス、フィールドセールス、カスタマーサクセスを横串で見ながら、収益を最大化させるということをミッションとしています。現在は組織として特に注力しているのがセールスですので、私自身がプレイングマネージャーとしてセールスしながら、同時にセールスチームを作っていくというのが主なミッションです。

柴田 私は新卒でベンチャーへ入社し、リテールや飲食店向けのEコマースやオムニチャネルシステムのセールスをやっていました。その後日本オラクルに転職しました。入社した当時は、ERPクラウド化のトレンドで専門の部署も立ち上がりそこでERPクラウドのセールスを行っていました。その後FORCASにジョインして、今はエンタープライズ企業のフィールドセールスを担当しています。

大橋 キャリアのスタートは店舗販促などのマーケティングで活用されるASPサービスの中小企業向けの営業を経験し転職。柴田と同じく私も前職は日本オラクルで、製造業の大手企業様向けにCX SaaSと言われるクラウドサービスを営業していました。その後2018年にFORCASにジョインしました。今はエンタープライズ企業向けのフィールドセールスを担っています。

 過去の経歴としては新卒でビズリーチに入社し人事系SaaSの営業を経験後、先月からFORCASにジョインしました。今はSMB企業向けのフィールドセールスを担当しています。

周囲との関係性が作れる人はパフォーマンスが上がる

他企業のチームとの違いや、御社ならではの強みはありますか?

田口 違いは部門間連携ですね。今の時代はチームワーキングを武器に世界でどう戦っていくかのかが非常に重要になると考えています。ですから、自分以外の力を借りながら成果を出していくことが求められます。

弊社ではマーケティングチームがFORCASのブランディングとリード獲得を担っており、その獲得したリードをインサイドセールスチームがメールや電話、そしてセミナーなどで顧客接点を持ちながら商談創出し、フィールドセールスがオンライン商談ツールや顧客訪問しながらFORCAS導入をご提案し、ご契約いただいた後にカスタマーサクセスがFORCASの導入支援を行うというTHE MODELを踏襲した分業体制をとっています。ですが、それぞれが独立した組織というわけではなく、部門間を横断したひとつの大きな組織というイメージで運営しています。

部門間を横断した組織というのは具体的にどんなイメージですか?

田口 私たちが作りたいチーム像は、スポーツで例えるなら、野球のようにポジションが決まっている組織ではなくて、サッカーのようにある程度の役回りはあるものの、守備をする時はみんなで自陣まで引いて守り、攻撃するときは皆で攻める。今まさに直面してる環境によって、それぞれがどういうポジションをとるかはすごく大事なんですよね。

具体的には、フィールドセールスが訪問した商談で想定していなかったことが発生した場合、インサイドセールスに共有し、どうして起きたのかを考え、マーケチームにフィードバックし組織で改善するというのはもちろんですが、マーケティングとフィールドセールスが連携して、どういうイベントを作ると良いか、マーケティングとカスタマーサクセスが連携しユーザー限定にしたマーケティング勉強会とかやってみてはどうか、マーケティングが配信してる広告施策の背景をインサイドセールスが共有を受けどういうアプローチが最適なのか一緒に戦略を立てる、とか。そういった周囲との関係性を作れる人がFORCASではパフォーマンスが上がる人です。

ABM(Account Based Marketing)という共通言語があるからこそ言いにくいことも言える

前職ではそういう関係性はなかったですか?

柴田 僕がいた組織ではそういった部門間連携というのは正直あまりなかったですね。

連携のない組織だと、マーケティングやインサイドセールスはアポイント件数を達成すれば良いんでしょ?となりますし、フィールドセールスはアポイントが少ないから目標未達成といった感じでいずれも他責にしてしまう課題感は恒常的にありました。

この点FORCASはフィールドセールスとインサイドセールスがお互いのことを尊重しながら対等な連携がとれている組織だと感じています。例えば、インサイドセールス担当から「この商談、絶対案件化します!」と事前に伝えられ訪問したところ、全然イメージと違い案件化しないことも実際あるんです。ですがその都度、インサイドセールスの段階でどこまで聞いたら良かったんだっけ?じゃあ次からこのトークでここまで聞いてみようか、というディスカッションをしています。

そして、私も訪問し顧客から聞いたリアルな内容をインサイドセールスにできる限り早く伝えることを意識しています。リアルタイムに伝えることで、お互いの認識のズレもなくなり、どんどんヒアリング精度があがり、有機的な組織間の連携が生まれ、意欲的な営業活動に結びつけられるんです。

大橋 弊社が提供しているのは、ABMを支援するプロダクトなのですが、もちろん私達も自社で部門間連携をとってABMを実践しています。

ABMを行うにあたり、プロダクトの価値が届きやすい会社(=ターゲットアカウント)を定義しています。つまりプロダクトがユーザーに満足してもらえる属性はどこなんだろうとか、具体的にどういう特徴を持っている企業なのだろうとか、そういった内容をあらかじめ決め、具体的な会社名まで特定しています。

そのターゲットアカウントを受注するために、マーケティング、インサイドセールス、フィールドセールス、カスタマーサクセス、全ての部門がまさに一本の矢となって動いているんです。この一本の矢という構図自体が前職やこれまでの経験を含めてもやはりないんですよね。

KPIの軸が各部門でバラバラな会社が多い中、どこの企業に対して、どの商材を売るのか、どこからのリードなのか、といった目標をターゲットアカウントに組織がアラインしてる状態が他社との違いなのかなと思います。

田口 FORCASのチーム運営がうまくいっているのはグループ会社のユーザベースでとても大切にしてるオープンコミュニケーションというカルチャーが大きく影響しています。

一般的に分業体制のチーム構成だと、チーム間でコミュニケーションを取る際に、すぐにコンフリクト(衝突・対立)が起きて、チームの仲が悪くなることとかよくありますよね。例えば、マーケティングが獲得したリードに対して、フィールドセールスはもっと質の高いリードがほしいとか。FORCASでは健全なコンフリクトという言い方をしていて、あえてコンフリクトを起こすことで部分最適になりがちな問題を全体最適に持っていくということを実践しています。オープンなコミュニケーションを心がけ、健全なコンクリフトをあえて起こすような動き方をカルチャーとして浸透させることでチーム連携と部分最適を両立して、スピーディな成長を実現できてます。

お互いに言いたいことがあっても言わない場面ってよくあると思うんですけど、それを良しとしません。お互いリスペクトを持った上で、言いたいことをしっかり伝える。各チームの価値観や考えを融合させながら全体の業績を上げていくことが出来ているのはオープンコミュニケーションというカルチャーの影響だと思います。

健全なコンクリフトやオープンカルチャーといった文化は入社した際に違和感はなかったですか?

大橋 僕はすごく感じました。笑

普通、「あなたのここが良くないのでこうやって改善するといいよ」と直接伝えるようなコミュニケーションは避けるじゃないですか。笑

でも事業と向き合って前を向く為には必要なことだと思うので、ただ否定するのではなく、気になった部分を伝えたうえで改善点も出して、しっかりとフィードバックすることで相手も受け入れやすいですし、逆に指摘してもらえたりもします。一方的ではない環境が醸成出来ているのはすごく新鮮でしたね。

労働集約型ではなく自由な知的労働が出来るチームを作る

巽さんはまだ入社して1カ月ですが、前職チームとの雰囲気の違いは感じていますか?

 感じている点は2つありまして前職もTHE MODELを踏襲して分業体制を引いていたんですけど、FORCASではそれぞれのセクションが対等なんですよね。よくあるインサイドセールスだとアポイント数を稼ぐことがメイン業務になっていると思うんですけど、今はインサイドセールスの方から、こういったお客様にはこういった事例を当てれば良いとか、商談設計までやってくれる場合もあるのですごく商談がやりやすいですね。

もう1つは組織自体がボトムアップで変化に対して柔軟なので、意見が食い違った時とかに今のKPI設計がこうだからそうなってしまうのであれば来月からはこう変えていこうとか、すぐに変えたりするんです。トップダウンだと変わるにもすごく時間が掛かっていました。時間がかかるとメンバー同士言っても変わらないという風潮になってしまいコンフリクトしなくなってしまうんです。

FORCASでは何故、他組織との連携がうまくいくんですか?

田口 これは文化ですね。僕らはアポイント数が目標値だから、ひたすらKPIだけ見て動くような労働集約型の軍隊を作りたくないと思ってます。

オペレーショナルに最適化を図ることで、効率化を実現できるのですが、それが極端にいきすぎると、KPIマネジメントが先行してまるで軍隊組織のようになってしまいがちだと思ってます。それは僕らのカルチャーにはちょっと合わない。弊社のインサイドセールス組織の場合、“ただアポを取る”というソルジャー的な役割ではなく、セミナーの企画・運営など含めて、それぞれが考えるアイディアを出し合いながら、新しいアプローチを考えるなど、知的労働を重要視しています。

柴田 私もインサイドセールスと一緒にセミナーなどを開催するのに密に連携とったりもしますね。結局、皆で売上目標を見据えられているのでその目標を達成するために必要な部分には人を張ろうよと当たり前の様にやっていますよね。

セミナー会場に私も行ってお客様のところに張り付いて話したりしますし、アポイント件数が不足している状態でセールスのリソースが空いているようであればアポイント獲得の為の行動もしますし、そこはフレキシブルに動いてますね。

そうなると業務領域が広いのでKPI設定はどうされているんですか?

田口 KPIとかは他の企業とそんなに大きく変わらないですけど、唯一違うところはリード数や商談数だけではなく、必ず“ターゲットアカウント”というキーワードが付きます。セールスであればターゲットアカウントの受注数というKPIを設定はしていますが、これを最大化させるためにチーム連携するという考え方ですね。

部門間連携を実践することで多くの問題が解決されていく

ABMはメリットしかないと思うんですけどお客様の反応はどうなんですか?

大橋 組織のレイヤーによって反応は変わりますね。例えば、弊社のような50人~200人規模の会社であれば共感頂いてすぐに組織全体としてABMを実践していきたいと思っていただくことが多いんです。

一方で大企業に目を向けると組織体が縦割りになっていて方針ややり方を変えることもすごく時間や苦労がかかることなので、それぞれの役割によって、どのようにABMという概念を理解いただくかというのを、お客様の中の導入推進チームの方と一緒に考えながら、細かく噛み砕いて伝えていかなければなりません。

導入後の成功イメージは、上述のような部門間横断してターゲットアカウントという同じ目標を追っていくことかなと考えているので、それをどうやって実現していくのかはこれからユーザと一緒に考えていきたいと思ってます。例えば、まずはスモールスタートで自部署だけでスタートして、少しでも成果が出てきたら、他の部門を巻き込んで議論して決めていくという感じですね。

田口 後は顧客の声で言うとマーケティングとセールスの仲が悪い組織が本当に多いと感じます。例えば、マーケティングチームがリードを獲得するために色々な施策を打っていますよね。それに対してセールスは、またなんかやってるよという感じなんです。マーケってすごい予算もっているけど何やってるの?みたいな。でも、FORCAS導入後はこの部門間の問題をなくすことができます。

ターゲットアカウントという共通言語が出来ることでマーケテイングはセールスが商談したいターゲットアカウントの商談を創出したり、ターゲットアカウントだけを呼んだセミナーを開催するという動きになるので、当然セールスメンバーはめちゃくちゃテンション上がって、積極的にセミナー会場に行って顧客フォローしたいとなる訳ですよね。部門間で連携をとると当然ですけど、効率もあがって成果も出ます。

個人が出来ることを少しずつ広げていく。それが勝つチームにつながる。

ABMをきっかけに営業の未来はどう変わっていきそうですか?

柴田 分業体制を引いている企業は営業からフィードバックを回していかないと組織としての進化は絶対にないと思っています。営業の役割として、売上をあげるだけではなく、組織全体のアップデートしていく役割が重要になり、単に振られたアポイントに行く営業スタイルの価値はABMを実践する企業では相対的に低くなってくるんだろうなと思います。

大橋 テクノロジーやビジネスモデルの変化に沿って営業組織も変わっていかないといけませんよね。従来の営業方法をずっと踏襲しているパターンはどうしても成長の余地が少なくなると感じてます。チームとしても個人としても変化を恐れずに、その変化を受け入れてやり方を変え続けていけるか。きちんと変化に向き合えるかだと大切だと思います。

田口 セールスパーソンとしての人材マーケットバリューという話をあるセールスマネジャーの方に聞きました。同じ会社で同じセールスだけをずっとやってきたトップセールスと、セールス経験後にインサイドセールスやカスタマーサクセスのプレイヤーとして活躍し、インサイドセールスのマネージャーを担っていたという方を比較すると、圧倒的に後者の人の方が市場価値は高いらしいんです。

僕はその考えにすごい納得感があります。あらゆる業界でSaaS Shiftが加速することでレガシーな営業組織は時代錯誤になることが予想されるので、幅広くいろいろな経験をしてきた方のほうが市場価値が高くなる傾向は強くなる一方だと思います。

なので、全く違うことにトライするのは勇気がいることで難しいところもあると思うので、ほんの少しだけ領域を広げてみることが大事だと思います。僕はウイングを広げるって言っているんですけど、自分がこれまでやってきて自信のある領域と近しい領域でできることを増やすということには挑戦していくのが良いと思ってます。

例えば、セールスをやりながらセミナーの企画をしてみるとか、インサイドセールスの人とのナレッジ共有会を自分がオーナーになってやってみるとか。少しだけ広げることを意識していくと結果的にセールスパーソンとしての価値が上がるのではないかと思います。

まとめ

多くの営業組織と比較をしてみた時にFORCASのチームでは部門間連携の有無や頻度が特徴でした。部門間連携がもたらすメリットは様々でしたが、改善して欲しい部分を直接相手に伝えることはそう容易ではないかと思います。事業の成長、組織の成長に対して本気で挑むからこそ健全な緊張感を持ちつつ新しい営業の形に挑戦していけるのかと思います。

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