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お客様の本質的なニーズを引き出し、理想を実現する”CRAZY WEDDING流 結婚式”に欠かせない【踏み込むヒアリングと感情設計】とは ~株式会社CRAZY オア明奈さん~

自身の成長の可能性と、お客様の様々な可能性を信じる側に立つという信念でコンサルティングファームからキャリアをスタートさせたオア明奈さん。その後、自らの結婚式を自身の手でプロデュースをしたことをきっかけにウェディング業界に興味を持ち、株式会社CRAZYに入社。入社直後からその才能を発揮し、CRAZY WEDDINGのトッププロデューサーとして活躍。現在ではCRAZY CELEBRATION AGENCYという法人向けのコンサル・イベント事業を創業した、オア明奈さんに、お客様との関係性構築、営業、企画提案に大切な「本質」と「価値感」について話を伺ってきました。

自身の結婚式を機にウェディング業界へ

これまでの経歴をお伺いしてよろしいでしょうか?

2015年1月に株式会社CRAZY入社。当時まだ創業2年目でまだまだ世の中の認知度も決して高くなかったCRAZY WEDDINGというオーダーメイドウェディングブランドのプロデューサーとして、約3年半走り続けました。私は結婚式の可能性を心底信じていて、ただ「結婚式」をプロデュースするのではなく、お客様が描く「理想の人生」を結婚式をきっかけに自ら歩めるようにサポートしていきたいと思っています。結婚式を挙げる人がどんどん減っているこの時代において、ウェディングのスタンダードを変えていきたい。「人生を祝う」というスタンスや、このやり方が今は「クレイジー」だと呼ばれても、いつかはこれが「スタンダード」になる日が来ることを信じて、世の中にこの価値を伝え続けてきたいと思っています。

ただ、3年半経ってこの「人生を祝う」という考え方をもっと多くの人に届けたいとも思うようになりました。

私が仕事をするうえで大切にしていることは、お客様が“この人生で良かった”と思える瞬間を生み出す、ということです。人生における節目は「結婚式」だけではない。結婚式以外のタイミングでも”自分の人生を考える節目”があるはずだし、あるべきだと思いました。例えば、仕事をしている自分にやりがいを持ったり、この会社に入ってよかったと思う瞬間を味わうことで、「この人生でよかった」と思う人はきっと増えるはず。個人だけではなく、法人の人生を祝う事業をしたい、そう思って、2018年7月にCRAZY CELEBRATION AGENCY(CCA)という法人向けのコンサル・イベント事業を5人の仲間と共に創業しました。

しっかりと自分に向き合った結果の美しいストーリーですね!笑

ありがとうございます。昔から自分と向き合うことが大好きなんですよね。笑  趣味が「振り返り」と公言しているくらい自分と向き合うことを大事にしてきたのも、私らしいストーリーかなと思います。

オアさんは内向的でもあり外交的な印象がありますがどうですか?

前職までは外交的なコミュニケーションを得意としていましたが、実はかなり内向的だと思います。というか、外交的コミュニケーションをとるためにも自分を知るということを大切にしています。CRAZYという会社は、”自分という存在に目を向けること”を大事にしている会社です。「あなたはどういう人生を歩むのか」「私はどういう人なのか」ということをCRAZYに出会ったことをきっかけに、より深く考えるようになりました。特にCRAZY WEDDINGは「人生を変えるほどの結婚式」をブランドとメッセージとして掲げています。ですが、人生を変える結婚式を提案する側の人間が人生を変えたことがなければ説得力もないですよね。自分が自分の意志で人生を動かしたり変えたりしたという経験があるからお客様の背中を押せるんです。ですので、これまでにどういう風に自分の意思で人生を変えてきたのか、人生と向き合ってきたのか、という経験をとても大切にしています。

「結婚式、何をしますか?」より「どんな人生を歩んできましたか」を深掘りします。

CRAZYのメンバーは皆さんそういった提案ができるのですか?

弊社の採用プロセスの中でライフプレゼンテーションという仕組みがあります。入社するメンバーが全社員の前で自分の人生をプレゼンテーションするという機会を設けているんです。自身のこれまでの人生を振り返って「自分はこういう理想の人生を歩みたい」という意思をメンバーの前で宣言することで、聞いている社員全員が入社前の社員の意思を受け止めて理解し、その人生を一緒に生きようという点に合意した上で会社に所属するという仕組みです。ライフプレゼンテーションがあるということを踏まえると、自分自身のことをちゃんと知ることや、自分自身の人生に真剣であるということは弊社に入社する最低限の要素なんです。

過去の経験などを活かしてお客様に提案をされているんですね。

ちなみに、弊社はウェディング業界出身が3名しかいません。私も含めてプロデューサーメンバーでさえもウェディング業界は初めてなんです。では、なぜ初めてのウェディング業界なのにも関わらず結婚式をプロデュースできるのかというと「結婚式を作っている」という認識で作っているわけではないからです。CRAZY WEDDINGではお客様と「結婚式何しますか?」という具体的な話を進める前に、「お二人はどんな風に出会って、どういうところに惹かれ合って、どんな人生を歩みたくて、なぜ、結婚したいと思うのか」ということをヒアリングします。一般的な結婚式会場では結婚式をあげてもらえればいいので「なぜ、結婚するんですか?」という質問は必要ないんですよね。笑 ですが、”どんな人生を歩んできたのか””なぜ結婚するのか”というところにお二人の「本質」とか「価値観」があると思っているので、それを聞いた上で企画をしていくことが重要なんです。おふたりの「人生」を考えた時に、どんな結婚式を、どんな場所でやるべきなのか、どんな1日ににするのが良いかということを、全てのお客様の人生と個性を表現することを大事にしています。ですので、決まったパッケージではなく、ヒアリングをした情報をもとにお客様毎にオーダーメイドでの設計をしていくというのがCRAZY WEDDINGの結婚式の作り方なんです。

本質を掴むヒアリングに大切なのは「あなたのことを知りたい」というスタンス

本質を知るというキーワードが出てきましたが本質ってなんですか?

本質を掴むためには事象に対して「なんのためにやっているのか」とか、「どこに向かっているのか」とか、きちんと “問い”があることが大事だと思っています。例えば、「結婚式の本質は何か?」と聞かれたときに、一般的には”披露宴というお披露目の場”だと思うのですが、CRAZYでは「人生を祝う場」という言葉で定義しています。何故なら“ここに集まる人達がいたから今日がある、これまでのすべてがあって今がある、と思える日”というのが結婚式の大事にしたい部分だと考えているからです。こういった「なんのためにやっているのか」を再定義して、結婚式の本質を見つめることを創業時から伝え続けています。

価値観や個性のヒアリングはどのくらいまで踏み込むんですか?

お客様にメインで聞いていることは3つあって

  1. それぞれの生い立ち
  2. お二人が出会って変わった価値観
  3. 結婚式をどんな日にしたいか

ということをメインに聞いていきます。どこまで踏み込むかと聞かれると第三者に「こんな事まで話すの!?」って思われるくらいに踏み込みます。笑 例えば、辛かった経験や、向き合いたくない親との関係などです。でも、私達はそれが大事だと信じているんです。もちろん目をつむることはできるんですけど、後悔はして欲しくないので、「本当に結婚式にお父さんを呼ばなくて良いんですか?」ということまで踏み込んでいます。

なぜ、そこまで踏み込むことが大事なんですか?

私達が踏み込むことで、お二人の人生のターニングポイントがどこなのかということを棚卸してもらいたいと思っているんです。なので、聞くことが大事ということではなく、聞いたことに対してお二人が会話をしたり、私に話してくださることで、自分の人生を自己認知するきっかけになることが大事なんです。人って、本当に大事だと思っていることはあるのに言えなかったり、忘れていたりすることが多いと思うんですよね。その本音に踏み込み触れることが大事だと思っているので、聞くことよりも気付かせるということが大事なんだと思っています。

誰に対しても踏み込めるもんですか?

一番大事なのは『あなたのことを知りたい』というスタンスです。お二人から大事にしていることや当時の感情などを聞かせてもらって、この2人は当時こんな状況だったんじゃないかなと想像できるまで聞きます。私達は“憑依”すると呼んでいるんですけど、2人になりきれるまで知ることが大事なんです。ですがお二人の話を聞くだけではお客様の想像以上のものは提案できません。クリエイティブな提案を発想するというのはインプットがないとできないんですよね。ですので、雑誌や本を読んだりイベントに出掛けたり・・・。例えば私は1年に1回、1か月間休みをとって海外に行くんです。いろんなことを「見てる」「知ってる」「経験している」ことで提案できることが広がります。自分自身の視野が広くない限り、お客様の想像を超える提案は絶対に出来ないと思っているので、意識的にクリエイティビティをアップさせる時間を取ってインプットするようにしています。

踏み込むことで知ることができた、お二人の本質や価値観を表現することがCRAZY流

CRAZYにとってのクリエイティブってなんですか?

「ストーリーがあること」だと思います。具体的には、“装飾”と“感情の設計”で表現しています。装飾におけるクリエイティブですと、会場に入った瞬間に「2人っぽい」と感じてもらえたり、「2人はこんな雰囲気なんだ」ということを全て意図的にデザインしています。なので、なんとなく置かれているものや、なんとなくおしゃれなものは意味がなくて、全てに意味がある一貫性があることが重要なんです。感情の設計というクリエイティブは、ゲストがどんなことをされたら嬉しいかとか、どんなことをされたら感動するのかといった感情をデザインして、そこに向かうように照明や音響、進行などを設計していくことが求められるクリエイティブですね。お二人のことを想像して本音にタッチすることで、来場者がお二人の本質や価値観に触れることができる、そんな空間を作ることがまさにクリエイティブの役割と言えます。

“この人生で良かった”と感じる人を増やすために“問い”を続ける

個人向け結婚式から法人向け組織セレブレーションの提案に変わって大変なことはありましたか?

結婚式は皆さん本気なんですよね。結婚するお二人のことを祝いたいと思う気持ちで集まっていますし、主役のお二人も一生に一度のイベントなので真剣に考えています。祝う気持ちが明確にある場なので熱しやすいんです。企業のイベントでも同じように本気の人がいるか、本気になる土台があるか、はとても大事だと思っています。本気になるためにまず参加者が主体的に関わることや、このイベントはすごく大事だと理解すること、経営者自身がやるんだという気持ちになることに時間をかける必要があると思っています。

法人のお客様の熱を帯びさせるために何が必要ですか?

理想を再定義していくことだと思います。理想がない経営者の方はいないと思うんですよね。でも私たちの役割としては「本当にそうなのか」と“問う”ことが大事だと思うので、そこはプロデューサーの役目かなと思います。CCA(CRAZY CELEBRATION AGENCY)は、組織セレブレーションという文化を浸透させていきたいと考えています。セレブレーションは”祝う”という意味もありますが、“承認”や“称賛”という意味もあると思っています。会社において節目を祝うイベントもただ祝うだけではなく、お互いのことを承認したり、称賛したり、自分がここ(会社)にいる理由を考えたり・・・そういったことが体感できる場だということが大切なんです。ただ祝う場という大義名分のイベントは”沸騰ツール”で一瞬の力しかないので。従業員の皆さんが自分の足で一歩一歩進んで社会を作っていけるように、沸騰させた熱を沈下させず、いかに企業のカルチャーにしていくかが大事です。そうすることで、”この会社で働いていて良かった”と思う人が増えて “この人生で良かった”と感じる人が増えていくと信じています。

まとめ

CRAZY流の「本質」「価値観」を引き出す為の「踏み込む」という行為は、法人営業でいうところの「課題を引き出す」という部分に近いでしょう。B2BでもB2Cで共通して大切な部分は『あなたのことを知りたい』というスタンスだとオア明奈さんは言います。踏み込むヒアリングがなければ、単に商品の説明で終わってしまう営業に終始してしまうでしょう。お客様が目指すゴールに伴走し、“踏み込む”ことでお客様も気付いていないような理想や、やるべきことを見いだす。そして、人が熱を帯びるための感情をデザインする。それがトッププロデューサー、トップセールスのやるべきことなのではないでしょうか

法人向けコンサル・イベント事業
CRAZY CELEBRATION AGENCY
https://www.crazy.co.jp/blog/articles/cca-2/

個人向けウェディング事業
(CRAZY WEDDING / IWAI omotesando)
https://thisis.crazywedding.jp/

オア明奈さんプロフィール
http://qreators.jp/qreator/orrakina

 

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